URCからの初のフル・アルバム。反戦歌の代表作「まぼろしのつばさと共に」「まるで洪水のように」「おとぎばなしを聞きたいの」を収録。サウンド的な実験精神も随所に発揮されている。

 ・ amazon : 五つの赤い風船 02. おとぎばなし (1969)

先に会員配布盤として高田渡とのカップリングLPでデビューしていた風船の2ndアルバム(単独作としては初)。「遠い世界に」などで岡林と並んで当時のアングラ・フォーク・ブームを象徴する人気グループだったが、当初から実験的な側面もあわせ持った不思議なグループだった。本作でも西岡たかし、藤原秀子、長野隆、中川イサトというそろいもそろった役者たちがそれぞれの個性を1曲ごとに遺憾なく発揮。ただのフォーク・グループだと思ったら大間違い。冒頭の西岡のドロリとした語りによる演劇的なナンバーや、奇才、長野隆がジャックスをバックにドライヴする<7>などロック・バンドと言ってもいい。URC初期を代表する1枚。(田口史人)

ディスク:1
1. 私は深い海にしずんだ魚
2. 青い空の彼方から
3. 貝殻節
4. めし屋
5. 一滴の水
6. まぼろしのつばさと共に
7. 叫び
8. 時計
9. まるで洪水のように
10. 母の生まれた街
11. おとぎばなしを聞きたいの
12. 唄